遠野、「国立」を前に涙 全国高校サッカー
【東京支社】第86回全国高校サッカー選手権大会第5日は5日、さいたま市駒場スタジアムなどで準々決勝を行い、本県代表の遠野は山口県代表の高川学園(15年連続20度目出場)に0−2で敗れ、県勢3大会連続の「国立」はかなわなかった。
遠野は、4−3−3と攻撃的な布陣を敷く相手に序盤から攻め込まれた。前半30分に今大会初めて先制され、反撃を狙った後半23分、逆にカウンターから追加点を喫した。遠野はFW藤嶋洸(3年)や選手権初先発のMF藤田尚之(3年)らが積極的にゴールを狙ったが、決定的な場面をつくれなかった。
昨年の全日本ユース選手権優勝の流通経大柏(千葉)と津工(三重)が初の4強入りを決め、藤枝東(静岡)もベスト4に進出した。6日の準決勝(東京・国立競技場)は流通経大柏−津工、高川学園−藤枝東のカードとなった。
都立校で快進撃を続けた三鷹(東京B)は藤枝東に0−2で敗れた。藤枝東は10大会ぶりの準決勝進出。
九州勢が4強に残れなかったのは11大会ぶり。
ゴールを信じ耐えたDF陣
勇気をくれた遠野の快進撃が止まった。DF木戸口拓真(2年)は「一対一の勝負で負けた。全国の速さ、高さについて行けなかった」と唇をかんだ。
味方のゴールを信じ、粘り強くしのぐDF陣。体を張って競り合い、全国レベルのスピードや当たりに耐え続けた。要のDF菊池智史主将(3年)は両ひざ負傷に加え、大会前に右足首をけがした。「痛み止めも効かず歩くだけでもつらい」と満身創痍(そうい)の状態だった。
主将の意地が仲間を奮い立たせた。全国大会から先発起用されたDF小水内晶絋(2年)は「けがをしている主将の負担を少しでも減らしたい」と最後まで全力で走った。しかし、相手の決定機を間一髪で何度も食い止めてきた伝統の守備力を破られた。
あと1勝で前々回大会に並ぶ4強だった。菊池主将も「勝って国立に行きたかった」と悔しがった。それでも試合後、ピッチに崩れる選手はいなかった。相手監督も「すばらしい粘りで、うちの選手より多く走っていた」と戦う姿勢に脱帽した。
前評判は決して高くなかった。それでも全国に堅守速攻を軸にした「遠野サッカー」を強く印象づけた。松田光弘監督は「よくここまで来た。1、2年生にたくさんいい経験を残してくれてありがとうと言いたい」と目を赤くして3年生の健闘をたたえた。2年生のDF木戸口は「悔しい思いを忘れない。次もまた戻ってくる」と、同じ舞台で雪辱する決意を胸に刻んだ。(遠藤)
【写真=遠野−高川学園 前半11分、相手FWを囲みボールを奪う遠野MF吉田吏玖(7)、藤田尚之(16)、後方はDF小水内晶紘=さいたま市駒場スタジアム】
(2008.1.6)
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