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C.受け入れ態勢整備 2008年5月5日
広がるもてなしの心

 大型連休初日の4月26日。奥州市は長者ケ原廃寺跡と白鳥舘遺跡、一関市は骨寺村荘園遺跡に観光客向けのガイドが常駐する案内所を開設した。

 「まずお茶っこ飲んでって」。民家を活用した骨寺村荘園遺跡の臨時案内所では、地元の女性が観光客にお茶を提供。ボランティアで務める「いわいの里ガイドの会」メンバーが和やかな雰囲気の中、見どころやお勧めのコースを説明した。

 平泉の文化遺産のコアゾーン(核心地域)である平泉町中尊寺、毛越寺、柳之御所遺跡には昨年1年間で延べ約200万人(県観光協会調べ)が訪れた。

 世界遺産に登録されるとさらに観光客は増えると見込まれる。平泉町と県内のほかの観光地を結ぶバス路線新設、通訳・ガイドの会発足、観光案内所への英語が話せるガイド配置など対応も進む。

 県は、世界遺産登録後の平泉町への観光客を「前年の2割増し程度ではないか」と、他県の例を参考に見込むが、現実には予想は難しい。

 人気俳優・滝沢秀明さんが源義経公役を務めた2005年春の藤原まつり・東下り行列。町には25万人が訪れ、トイレや駅のホームには行列ができ、町中に人があふれた。

 平泉観光協会の小野寺邦夫会長は「不備も指摘されたが、50軒以上の民家でトイレを貸すなどの対応もあった」と当時を振り返る。平泉町の高橋一男町長は「受け入れ態勢整備は必ずしも完ぺきではないが、登録後も続けていく。住む人の優しさが出るような心の受け入れ態勢も重要だ」と前向きに取り組む。

 いわいの里ガイドの会の藤木洋太郎事務局長は「ほかの世界遺産に比べ見て理解するものが少ないからこそ、遺産の価値を心を込めて説明したい。少しでも気持ち良く帰ってもらいたい」と願う。

 受け入れ態勢整備に足りない部分をカバーする「温かい心のおもてなし」は、住民の間に広がりつつある。

【写真=地元の女性らがスタッフを務める一関市の骨寺村荘園遺跡の臨時案内所。「おもてなしの心」で観光客を出迎える】



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