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A.景観・町並みづくり 2008年5月3日
住民に意識芽生える

 県道平泉停車場中尊寺線(延長1・4キロ)。JR平泉駅から無量光院跡、高館義経堂入り口を通り、中尊寺に向かう通称「中尊寺通り」で、景観形成に向けた住民意識が芽生えている。

 平泉町は都市計画でこの道を歩行者優先、観光回遊の主要ルートに位置付け「歴史と文化の道」と呼ぶ。しかし、通りは歩道が狭く、側溝や街路灯が老朽化するなど抜本的な整備が必要だ。

 県や町は2006年、官民が参加する「中尊寺通りまちなみ整備検討会」を立ち上げ、話し合いを続けてきた。当初は08年度着工予定だったが、構想がまとまらず、世界遺産には間に合わない。

 同検討会は昨年末、幅員8メートルの道で車道を4・5メートルに狭め、両側歩道とする社会実験を行った。住民からは「車道が狭い」「事故が心配」など課題が指摘された。

 同町の1級建築士で同検討会委員長を務める小野寺郁夫さん(54)は「電柱地中化の提案も新たにあり、どうせやるなら理想を追求しようということになった」と経緯を説明。県南広域振興局一関総合支局の菊池恭二土木部長は「一方通行など新たな提案をし、本年度中には具体化したい」と事業着手を急ぐ。

 事業の遅れにより、国土交通省の補助事業「観光ルネサンス」で予定していた街路灯整備も不可能となった。

 しかし、こうした中、住民たちは自ら考案した手作りのあんどんや街灯で町並みづくりに乗り出している。

 工務店を経営する千葉武男さん(65)は「事業はなかなか進まないが、自分たちが暮らす町。われわれの手で少しでも景観づくりに貢献したい」と材木店主ら仲間と手作りあんどん、街灯の設置を進めた。

 自主的な活動が認められ、手作りあんどんは観光ルネサンス事業に採用され本年度、20基設置される。

 住民主導の景観づくりが、中尊寺通りで始まっている。

【写真=県道整備が遅れる中、住民が手作りして設置した街灯。奥にはあんどんがともる=平泉町中尊寺通り】



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