| 地元の熱意 届け官民の「祈り」 |
2008年6月30日 |
国際記念物遺跡会議(イコモス)の登録延期勧告の約1カ月後。「平泉の文化遺産」のコアゾーン(核心地域)の一つ、平泉町の中尊寺で21日、町民による世界遺産登録を請願する参拝の会が開かれた。
金色堂前には約600人が集まり記念撮影した後、祈りをささげた。世界遺産登録を願う一人一人の顔が写った写真は、カナダ・ケベック市で7月2日から開かれる世界遺産委員会に出向く町職員に託される。
「勧告結果は残念だったけれど、そのおかげで町民が集まり、金色堂で祈ることができた。地元にいると、なかなか参拝に行く機会はないからね。まずは盛り上がってよかった」と参拝の会の佐藤長伸代表(43)は振り返る。
奥州市は20日、世界遺産委員会委員国のオーストラリアにある姉妹都市、グレーターシェパートン市の市長へ、登録への協力を呼び掛ける手紙を送った。
市世界遺産登録推進室の小野寺正幸室長は「正直、一市の市長への協力要請がどのくらいの効果があるかは分からない。ただ、できることは何でもしようと、国や県と相談しながら文面を考えて英訳し送った」と語る。
一関市の骨寺村荘園遺跡は、14日の岩手・宮城内陸地震で山王窟周辺や駒形根神社の一部が破損するなどの被害があり、関係機関が全力を挙げて復旧に取り組む。
中世の荘園風景を守り、営農を支える全国の「荘園オーナー」からも励ましの声が届いており、地元住民は、復興への気持ちを強くしている。
「『世界遺産にふさわしい街にしよう』という地元の熱意と願いは登録への大事な要素で、その点では平泉は満点だ。この動きを大切にしてほしい」
3月に「平泉の世界遺産」を視察したユネスコ日本政府代表部の近藤誠一特命全権大使は、こう語った。
国や県とともにカナダへ派遣される地元3市町の職員は、住民や応援する人々の熱意を受け止め、世界遺産委員会へと向かう。
【写真=世界遺産登録を願い中尊寺金色堂に祈りをささげる平泉町民。参加した約600人を写した写真は、カナダに行く町職員に託される=21日】
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