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北朝鮮がICBM 重大局面招かぬために


 北朝鮮が「新型」と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、技術的な課題があるにせよ世界への脅威を手に入れたことを示す。核・ミサイル開発を断念させるハードルは高くなりつつある。

 11月29日、2カ月半ぶりに発射されたミサイルは「火星15」。北朝鮮は「国家核戦力完成の歴史的大業、ミサイル強国の偉業」を実現したと発表した。

 通常より高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」による発射で、通常軌道ならば射程は1万3千キロ。米国の首都ワシントンに到達する。欧州も射程に入る。

 これを受けて開かれた国連安全保障理事会の緊急会合では、米国が北朝鮮との関係断絶を要求。今回の発射で戦争に一歩近づいたとした上で、仮に戦争になれば金正恩(キムジョンウン)政権が破壊されると警告した。

 しかし、米国が認識しているように武力衝突に踏み込むリスクの大きさは計り知れない。中国とロシアは発射に対して「懸念」「失望」を表明しながらも、朝鮮半島の緊張を高めないよう求めた。

 改めて明らかになったのは北朝鮮の異常なまでの強硬姿勢だ。米国がいくら軍事圧力を強めようとも、国際社会の制裁が継続しようとも、生き残りのためには核兵器しかないと信じている。

 次の段階はこの技術を背景に、核保有国として米国と対等に渡り合おうという狙いだろう。だが、こんな交渉に乗るわけにはいかない。

 国際社会は、核とミサイルは圧力を招いて孤立を深めるだけで、これ以上の制裁が行われれば文字通り存亡の岐路に立つというメッセージを突きつけなければならない。

 道を開くには包囲網の強化しかない。緊急会合では、新たな制裁などの措置は取られなかったが、9月の制裁決議の内容はかなり厳しい。

 肝心なのは、制裁の履行に抜け穴をつくらないことだ。決議採択から今回のミサイル発射まで、北朝鮮は国際社会の警告に耳を貸さなかった。関係国が圧力強化で足並みをそろえられなかったことも大きな要因だ。

 北朝鮮の技術が、米国が設定した「レッドライン」(越えてはならない一線)に届くのは時間の問題とされる。緊張がそこまで高まったとき、朝鮮半島情勢は重大な局面を迎えるかもしれない。

 関係国が意思疎通を強めることは、悲劇的な事態を回避する上でも欠かせない。手遅れになる前にどんな手を打つべきかの協議を徹底して続けるべきだ。

 朝鮮半島には非核化という未来しかない。各国が共通してその強い決意を持てば、解決への新たな道が見えてくる可能性がある。

(2017.12.1)

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