WWW http://www.iwate-np.co.jp

北朝鮮制裁決議 国際社会の警告を聞け


 6回目の核実験から1週間余。国連安全保障理事会は北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択した。異例のスピードは、核・ミサイル開発を許さないという国際社会の警告だ。

 北朝鮮の強い反発も予想される。軍事挑発を警戒しながら、危険な試みを放棄するまで制裁を厳格に履行していきたい。

 米国が示していた決議原案は、石油の全面禁輸が最大の焦点。従来に比べて「最強の制裁」(ヘイリー国連大使)のはずだったが、北朝鮮への原油輸出は「現状維持」にとどまった。 

 市民生活への影響を懸念して慎重な中国、ロシアに配慮して譲歩した。外貨獲得の手段となっている出稼ぎ労働者の規制なども緩和し、原案からは後退した印象だ。

 北朝鮮は制裁決議が採択されれば「強力な行動措置を連続的に講じる」と米国をけん制してきた。だが、内容の後退を「どう喝の成果」と思わない方がいい。

 重く受け止めるべきは、昨年の2回の核実験の際、いずれも2カ月以上要した決議採択が極めて迅速に行われたこと、そして北朝鮮の後ろ盾となっている中ロも含めて全会一致だったことだ。

 中ロにしても、これ以上の核実験や弾道ミサイル発射を続ければ、北東アジアの緊張を高めるだけだ、という認識では共通している。

 原案より緩やかとはいえ、今回の決議でも北朝鮮経済への打撃は少なくない。膨大な費用をつぎ込む核・ミサイル開発と経済発展を同時に目指す「並進路線」は確実に破綻するだろう。

 決議には当然ながら「北朝鮮が核実験、弾道ミサイル発射をした際には、さらなる重大な措置を取る」という項目がある。これを単なる警告にしてはならない。

 関係国は「重大な措置」を取る覚悟があることをみせなければならない。北朝鮮は、これ以上の制裁が行われれば文字通り存亡の岐路に立つことを知るべきだ。

 厳しい原案を示し、北朝鮮の反応を見ながら安保理が合意できる案に持っていく。米国の行動はある意味で北朝鮮との「対話」とも言える。

 今回の措置は石油全面禁輸への第1段階と位置づけられる。関係国が「抜け穴」をつくらず、着実に包囲網を狭めていくことが肝心だ。

 北朝鮮は決議にどのような反応を示すのか。日本列島上空を通過する大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や7回目の核実験などに出る危険性も十分ある。

 軍事挑発に乗らず、核とミサイルを断念させる。その鍵は国際社会の結束にしかないことを再確認したい。

(2017.9.13)

     論説トップへ戻る

   
トップへ