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自転車活用推進法 街づくりに生かしたい


 春になって寒さが和らぎ、通勤、通学、買い物などで自転車に乗る人の姿が多く見られるようになった。

 環境に優しく、健康にもよい自転車の価値が改めて見直されている。ただ、自動車優先社会にあって、交通政策で十分に配慮されているとは言えない。

 環境整備が求められる中、議員立法による自転車活用推進法が昨年成立し、今年施行される。国に活用推進計画策定を義務付け、都道府県や市町村にも計画作成の努力義務を課している。

 掲げる重点施策は▽自転車専用道や通行帯整備▽シェアサイクル施設整備▽自転車と公共交通機関の連携促進▽交通安全の教育・啓発▽観光客誘致支援−などと幅広い。

 総合的な自転車政策を促す法律制定の意義は大きい。ただ、理念法であるため、実際の事業がどれだけ支援されるのかは不明で、国が予算的な裏付けを明確にしていく必要がある。

 その上で、各自治体が自転車政策を重視し、中心部などでの街づくりで優先項目に掲げてもらいたい。地域の実情に合わせ、街の安全と魅力を高めてほしい。

 本県では盛岡市の取り組みが注目される。10年前に自転車条例を設置。昨年は快適走行空間を推進する自転車ネットワーク計画を策定した。

 矢羽根型のカラー路面表示などによる走行空間確保を進める。一部で先行導入し、効果を上げている。市中心部からおおむね半径4キロ内を中心に、その外側でも高校通学路を対象に入れ整備していく。

 活用推進法でさらに複合的な取り組みが期待される。国の計画策定後、災害、教育、観光など関係各部門と連携を取って進める考えだ。

 自転車利用者からはさまざまな要望もあろう。すぐには難しい課題でも長期的な視野で解決を探ってほしい。

 自転車は暮らしを支えるとともに、レジャーとしても快適で便利だ。観光地では、利用策をもっと進めてはどうだろうか。地域をじっくり味わいながら回るために適した乗り物。鉄道駅を起点に利便性を高めれば、誘客増につながる可能性がある。

 自転車の視点で見えてくることは少なくない。例えば電柱。道路幅が狭くて自動車通行量や歩行者が多い場合、林立する電柱は走行に支障を生じさせる。無電柱化は多額の費用を要し、関連事業者の協力が欠かせないが、一考を望みたい。

 活用推進法が重点に掲げる交通安全対策も欠かせない。ルールを守らない乗り方は年齢にかかわらず見られる。学校での指導はもちろん、高齢者が改めて学ぶ機会を設けることも必要だろう。

(2017.3.15)

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