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2月県議会 「未来」に続く今を語れ


 県議会2月定例会は、きょう16日開幕する。東日本大震災から6年を迎える今、これまでとは別の意味で実のある論議が望まれる。

 2011年3月11日の震災後、岩手は復興にまい進してきた。5年という大きな節目が過ぎて、6年という数字は復興の今を見据えつつ、未来を描く時期でもある。

 論議の中心となる県の2017年度当初予算案に、それが表れている。一般会計の総額は9797億円で、震災後に編成された予算で初めて1兆円を下回った。

 膨大な国費を投じて進められてきた道路やまちづくりなどの復興事業がピークを過ぎたことを意味する。当初予算の震災対応分は、前年度に比べて24%減った。

 震災で深い傷を負った地域を、ある意味で巨額の公共投資が支えてきた。それが先細りする今、事業者からは不安の声が聞かれる。地域経済の面からも、6年という数字は転換点と言える。

 達増知事は新年度の予算案を「未来につなげる復興ふるさと振興」予算と名付けた。一度聞くだけでは県民にピンとこないが、さまざまな意味を込めたとみられる。

 16年度は「本格復興完遂」予算だった。復興が仕上げ段階に入り、新年度は地域の未来も見つめていく。そんな考えによるのだろう。

 また「ふるさと振興」は、知事が人口減対策、すなわち国の地方創生に関して使う言葉だ。本県は被災地を中心に人の流出が著しい。復興と人口減対策は切り離せない、との意図が読み取れる。

 もっとも「未来」につなげるには、今を直視する必要がある。仮設住宅での暮らしは長引き、昨年の台風10号被害の爪痕も深い。

 新年度予算は、引き続き被災者の心の健康や、なりわいの再生に重点を置いた。災害で苦しむ人々が仕事に就き、穏やかに暮らす日まで県の総力を注がねばならない。

 県議は、それぞれの地域で現状と課題をよく知る立場にある。知事が描こうとする「未来」へと続く岩手の今を語り、論じてもらいたい。

 そして「未来」を見据えるために、岩手国体の経験を生かす文化スポーツ部の新設、正念場を迎えた国際リニアコライダー(ILC)誘致などが主な論点になろう。

 県議会では毎回のように、達増知事の政治スタンスが取り上げられる。「県民党」を目指すかと思えば、最近は政務秘書に小沢一郎自由党代表の元秘書を起用した。

 自民党などは反発を強め、今議会の火種になりそうだ。不毛な対立は避けるべきだが、県政界の構図が不明瞭な中、県民が注目する知事の政治姿勢は確認しておきたい。

(2017.2.16)

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