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 季節感が際立つ岩手の四季、各地に息づく郷土芸能の数々、恵みをもたらす豊かな海と大地−。魅力にあふれた、さまざまな音がそこにある。時に心を癒やし、体を震わす。じっくり耳を澄ますと、聞こえる音もある。県内各地を巡り、音が聞こえる被写体にカメラを向ける。

(随時掲載)

H大東大原水かけ祭り(一関)

冷気を振り切り激走
2018年2月12日

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 「うぉー」「やぁー」。寒風を物ともせず、熱気を帯びて走り抜ける男たち。沿道で待ち構える人たちは、おけやバケツを手に一斉に冷水を浴びせる。

 360回を数える大東大原水かけ祭りは11日、一関市大東町大原地区で行われた。大しめ縄の奉納行進や蒸気ポンプの放水、山車や太鼓演奏、鹿踊りなどが午前中から繰り広げられ、街は次第に祭りムード。

 午後3時、風や雪が一層強まる「絶好」のコンディション。さらしを巻き、わらじを履いた約320人の裸男たちが姿を現すと、商店街は一気に熱くなった。火防祈願や無病息災、東日本大震災の復興を願う「天下の奇祭」の始まりだ。

 5区間計500メートルを疾走する。「バシャーン」。冷水が弧を描いて男たちに降りかかる。1区間を走り終えるたび、寒さを紛らわすため「わっしょい」と威勢のいい声を張り上げる。自分のため、伝統を紡ぐため再び走りだす。熱い思いは誰にも止められない。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=沿道からの清め水を受け、中心商店街を威勢良く走る男たち=11日、一関市大東町大原】

 メモ 一関市・大東大原水かけ祭りは同祭り保存会(鈴木功会長)が主催。2017年4月に県無形民俗文化財に指定された。1657(明暦3)年の江戸大火を受け、火防祈願として翌年から始まったとされる。


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