大勢で食べる楽しさ
大勢でわいわいと食べると
おいしさが増すわんこそば=東家提供

 おわんに小分けしたそばを給仕さんに入れてもらいながら何杯もお代わりして食べるわんこそば。「わんこ」とは方言で、おわんのことをいいます。給仕さんの「それ、もう一杯」「ほら、じゃんじゃん」などのかけ声とともにおそばが次々とおわんに入れられます。おなか一杯で食べきれなくなっても、おわんにふたをするまで続きます。このタイミングが難しい。食べきると何杯食べたか、笑顔で数えます。わんこそばのそば自体は普通のそばと大きな違いはありませんが、大勢で楽しくにぎやかに食べられるのが魅力です。

 起源はそば振る舞い

 岩手は寒冷地のため米や麦よりそばやひえが常食だったため、宴会の最後にそばを振る舞う「お立ちそば」という風習が昔からありました。冠婚葬祭でもそばは振る舞われ大勢の場合、一度に人数分のそばを煮上げることはできないため、10人分を百のおわんに盛り分けて、みんなが食べている間にもう10人分ゆで、どんどんお代わりして食べてもらう風習が生まれました。このそば振る舞いがわんこそばの起源とされています。その発祥地については盛岡、花巻の2説があり、はっきりしていないようです。

 店として最初にわんこそばを始めたのは、今は廃業してもうありませんが盛岡市の中津川にかかる与の字橋のたもとにあった「わんこや」でした。戦後、他にない名物そばを売りたいと考え、始めたといいます。最初は1杯3銭で1日に1円も売れない日もあったほどで、そこで給仕の方法や薬味、器などを改良したとされます。それが市内のそば屋に広がったのが始まりです。
 



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