クセになる個性派麺

 小麦粉と片栗粉で作ったコシのあるシコシコの半透明な麺が特徴。牛骨などでとったコクのあるスープに、キムチの辛さと酸味が調和。初めて食べた人の中には、独特の麺が「ゴムみたい」「かみ切れない」と首をひねる向きもあるようですが、2度、3度と食べるうちに、クセになる味なのです。

 朝鮮半島の味を再現

2度、3度と食べるうちに
クセになる盛岡冷めん
 朝鮮半島生まれの冷めんが、なぜ盛岡の名物になったのか。歴史はおよそ半世紀ほどさかのぼります。盛岡の名店「食道園」の先代店主、青木輝人さん(故人)が、故郷の朝鮮半島の味を再現したのが始まりとされています。東京の名店で修行した青木さんは戦後、盛岡に移り、舌の記憶を頼りに冷めんを出しました。

 当初は、そば粉を使った麺を出していましたが、これが不評で、工夫と改良を重ね、現在の味にたどり着いたといいます。当時を知る人は「焼き肉を食べている客に、サービスとして小さなおわんで冷めんを出していた。何とか、盛岡の人に受け入れてもらおうと、必死な姿が思い出される」と振り返ります。

 70年代に"ブレイク"

 高度成長とともに、県内にも焼き肉店が増え始め、食道園をまねて冷めんを出す店が増え始めました。ブームに火が付いたのは、1970年代。ある焼き肉チェーン店のCMで、お笑いタレントが「うめぇ」と頭をたたきながらうなる姿は、県民なら一度は目にしたことがあるでしょう。「おなかペーコペーコ、クー」の愉快なCMソングとともに、一気に人気がブレイクしたのでした。

 86年と96年には、盛岡市で全国麺サミットが開かれ、冷めんの認知度は飛躍的に向上。製麺業者による土産用や持ち帰り冷めんも開発され、家庭で食する機会も増え、庶民の味としてすっかり定着しました。2000年には公正取引委員会から盛岡冷めんの生麺に対して、「本場」「名産」などの表示が認められ、名実ともに盛岡名物となったのです。



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