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特集 国会議員アンケート

緊急時はプライバシーより優先

 事前に意思確認できる仕組みを

2017年6月21日

 大規模災害時の安否情報の在り方を考えてきた連載「あなたの証し」。岩手日報社が実施した全国会議員アンケートで、多数が避難者と行方不明者の氏名を公表する意義や、自治体が求める国によるルール作りの必要性を認識している結果が浮き彫りになった。改正個人情報保護法の全面施行により、匿名化の拡大が懸念されている。調査結果の分析や識者へのインタビューを通し、災害時の氏名公表に向けた課題、「実名」の価値について、改めて考える。

 災害時の避難者と行方不明者の氏名について、公表するべきとの声が多数を占め、避難者は90・9%、不明者は88・7%に上った。岩手日報社が東京都、神戸市、高知県の3地区で計千人に行った住民調査でも公表を望む民意が圧倒的多数を占めており、命に関わる際の実名公表の意義が強調された。

 避難所に避難した場合、「避難者名簿」のような形で氏名を公表するべきかを聞いた。「公表するべきだ」は56・8%(155人)、「どちらかといえば公表するべきだ」は34・1%(93人)。「どちらかといえば公表するべきではない」は2・6%(7人)、「公表するべきではない」は1・1%(3人)にとどまり、無回答が5・5%(15人)だった。

 日本維新の会幹事長の馬場伸幸氏(衆院大阪17区)は「人命とプライバシー保護のバランスをとることは難しいと思うが、緊急時は人命が優先されると考える」と指摘する。

 東日本大震災時、本県の多くの避難所では避難者名簿が張り出され、その情報を基に新聞やラジオ、行政のホームページで安否情報を発信。家族や知人らを捜し回る人々の貴重な情報源となった。

 民進党の金子恵美氏(衆院比例東北)は震災時に被災者の避難先が分からず、安否確認が遅れた事例を挙げ、「避難者のニーズなどを的確に知ることができるように、避難者名簿の公表も考えるべきだ」と訴えた上で、「本人あるいは家族等の意思を事前に確認できる仕組みづくりが必要と考える」と提案した。

 行方不明者の氏名は「公表するべきだ」が49・5%(135人)、「どちらかといえば公表するべきだ」が39・2%(107人)だった。「一刻も早く捜索を行うため」「公表することでさまざまな方面から情報が入る可能性がある」など、人命を救うために必要な対応との見方が多かった。

 ただ、近年は個人情報保護などを理由に行政が非公表とするケースも少なくない。自民党の羽生田俊氏(参院比例)は「個人情報保護に縛られ過ぎると、対応が手遅れになる場合がある」と懸念する。

 一方で、「どちらかといえば公表するべきではない」は3・3%(9人)、「公表するべきではない」は1・1%(3人)。

 不明者家族の心情に配慮した対応を検討すべきとの意見もあり、自民党の岩屋毅氏(衆院大分3区)は「不明である限りは、生存の可能性を否定すべきではない」との考えを示した。

 無回答は7・0%(19人)で、「プライバシーの観点も含め慎重に検討する必要がある」や「親族等への了解を得て、公表すべきだ」などの意見が出た。



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