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特集 国会議員アンケート

公表すべきは9割

 避難者名・不明者名

2017年6月21日

 岩手日報社は、連載企画「あなたの証し 匿名社会と防災」の一環で、災害時の安否情報の公表について全国会議員を対象にアンケート調査を行った。災害時に避難者名を公表するべきだとの意見が90・9%、行方不明者名の公表も88・7%に上ることが分かった。多くの自治体が求める国による氏名公表のルール作りも90%近くが対応すべきだと回答。起こり得る災害に備えて課題の整理を指摘する声もあり、今後の国会での議論が注目される。

 アンケートは衆参の全国会議員716人を対象に実施。災害時の氏名公表の在り方、法や指針など国によるルール作りの必要性を聞き、273人(38・1%)から有効回答を得た。55人は「アンケートには答えていない」などの理由で回答しなかった。

 大規模災害時に「避難者名簿」のような形で氏名公表するべきかについて「公表するべきだ」が56・8%、「どちらかといえば公表するべきだ」は34・1%で、「公表」が計90・9%と多数を占めた。

 東日本大震災では避難所での張り出しや新聞、ラジオなどで避難者名を発信。岩手日報社が東京都、神戸市、高知県で計千人に行った住民アンケートでも90%超が「公表」を求めた。

 民進党の黄川田徹氏(衆院岩手3区)は「発災直後は情報を欲している人が大勢いる。原則公表すべきだ」と強調。公明党代表の山口那津男氏(参院東京選挙区)は「実際に被災し、避難して実感を持っている人々の声を尊重すべき」と教訓の重要性を説く。

 不明者の氏名は「公表するべきだ」が49・5%、「どちらかといえば公表するべきだ」が39・2%で、「公表」は計88・7%。「迅速な安否確認に役立つ」「救助や被害の実態把握のために必要だ」などが理由として挙がった。

 災害時の氏名公表の意義を認める一方、「配偶者からの暴力の被害者など、配慮が必要な人の対応を検討する必要がある」「空き巣の懸念もある」と課題を指摘する声もあった。

 国による公表のルール作りについて「ルール作りをするべきだ」は避難者が55・7%、不明者は53・8%。「どちらかといえばルール作りをするべきだ」は避難者が33・3%、不明者が34・4%で、いずれも計90%近くが肯定的に捉えた。

 震災後、国は災害対策基本法の改正で安否照会に回答できると規定した。しかし、避難者や不明者の公表判断は各自治体に委ねられており、国による統一ルールを求める声が多数出ている。

 社民党幹事長の又市征治氏(参院比例)は「現場の混乱を解消するため、国による統一基準が必要と考える」と指摘。ただ、高市早苗総務相(自民党、衆院奈良2区)は「一律に運用を定めることは難しく、各自治体が避難の状況や避難者の意見、不明者家族の意向などを総合的に勘案し、判断することが現実的ではないか」との考えだ。

 首都直下地震や南海トラフ巨大地震では、膨大な人的被害も想定される。元防災担当相の古屋圭司氏(自民党、衆院岐阜5区)は「この問題は、政府で慎重かつ真剣に議論を進めていくべきだ」と受け止める。

【調査方法】衆参の全国会議員716人を対象に岩手日報の記者が郵送、直接面談で5月18日から実施。6月15日までの有効回答273人(38・1%)の結果を集計した。ほかに55人(7・7%)は回答しないとした。党派別の回答者数と回答率は自民党101人(24・5%)、民進党73人(50・3%)、公明党28人(46・7%)、共産党31人(88・6%)、日本維新の会18人(66・7%)、自由党4人(66・7%)、社民党4人(100%)、日本のこころ1人(50・0%)、無所属・諸派13人(52・0%)。質問は▽避難所などに避難した場合、「避難者名簿」のような形で氏名を公表するべきか▽行方不明者の氏名を公表するべきか▽避難者の氏名公表について国がルール作りをするべきか▽行方不明者の氏名公表について国がルール作りをするべきか−の4項目と理由を聞いた。データは小数点第2位で四捨五入しているため合計が100にならないことがある。


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