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第5部 氏名公表の壁・特集

国が公表の方針を

 被災地、かく考える − 田中和七さん(宮古市消防団分団長)

2017年5月13日

 東日本大震災時、行方不明者の捜索などを行った消防団。宮古市消防団本部付分団長の田中和七さん(62)=同市田老三王=は「身内を捜すために、がれきのまちを歩き回る人々の姿はもう見たくない」と当時の光景を振り返る。

 だからこそ、多数の住民が避難者や不明者の氏名公表を望んだ住民アンケートの結果に納得した。「知られたくないという人がいるのも理解できるが、多くの住民の思いは大切に考えるべきだろう」と捉える。

 震災時、田老地区中心部を守る市消防団第28分団長だった田中さんは、活動する中で個人情報保護の「壁」を感じた。発災から10日ほどたった頃、それまで関係機関で共有していた死者や不明者の情報が急に入らなくなった。身内を捜し歩く人に情報を求められても答えることができず「もどかしさも感じた」。

 被災者が仮設住宅に入居した後は、自分たちで入居者を調べたが把握できたのは世帯主だけ。「有事に地域を守る」ために必要な家族構成などの情報を得ることは難しい状況だった。

 「不明者の氏名を公表しないのはなぜなんだ」―。震災後、日米交流プログラムの一環で訪れた米南部ルイジアナ州ニューオーリンズで、現地住民に聞かれたことを今も覚えている。

 田中さんは「災害時は期間を決めて名前を公表するなど、方針を国が出すべきではないだろうか。(非公表の)影響を受けるのは住民だ」と民意との隔たりを強調する。

【写真=災害時の氏名公表について「国が方針を出すべきではないか」と訴える田中和七さん=宮古市田老】



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