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第5部 氏名公表の壁・特集

考えが及ばない現状

 3地区防災担当者に聞く − 高知県危機管理部・酒井浩一部長

2017年5月13日

 大規模災害時の安否情報の考え方として、避難者はすぐに生死に関わるケースは少ないと見られ公表には同意が必要だ。一方、行方不明者は、氏名を公表することによって命を救うことができると判断できた場合は公表すべきだ。

 南海トラフ巨大地震では最大43万8千人の避難者が想定される。高知県では約900カ所の避難所ごとに住民と運営マニュアルの作成を進めており、車中泊も含めて、避難者名簿の作成は必須としている。公表の可否を記入し、同意を得られた人は閲覧用名簿などの公表を考えている。

 ただ、現時点では報道機関に対する公表まで話は進んでいない。広く公表することは安否確認に有効な手段であり、保存性に優れる新聞媒体の強みも理解しているが、やはり、同意は必要だろう。

 プライバシーの関係で名前を出されたくないという人に配慮する必要もある。3地区の調査では避難者、行方不明者とも基本的に公表した方がいいという意見が大勢だと受け止めるが、「大勢の人が公表してほしいから公表する」ということにはならない。

 行方不明者については、生死が関わる場合は積極的に公表すべきだ。個人情報保護条例で定めているように本人同意は必要ない。自治体には公表をためらう傾向もあるが、個人情報保護とプライバシーの問題が混在しており、リスクを考えて出さないということもあるのではないか。

 南海トラフ巨大地震の際は、生存率が急激に下がる72時間のリミットも課題だ。警察や市町村が行方不明者を特定し、県に情報が上がってくるのは時間がかかる。1週間以上経過してからの公表が命を助けることにつながるかというと難しい面もある。

 県内の市町村も明確に決めているところはなく、防災面の取り組みで精いっぱい。国が基本的な考え方を示すことはできると思うが、そこまで考えが及んでいない現実がある。

 大原則として、安否確認については、事前に家族間などで決めてもらうことが重要だ。その上で、手を尽くしても確認できない場合に公表する形が望ましいと考える。

 (談)

【写真=「大規模災害時の避難者名簿公表は有効な手段だが、住民の同意も求められる」と語る酒井浩一部長=高知県庁】



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