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東京・神戸・高知 本紙1000人調査

【高知】抵抗感が少ない傾向
2017年5月6日

 東日本大震災を契機に南海トラフ巨大地震の津波防災対策を推進する高知県。2013年に公表された最大規模の被害想定では、県人口の60%に当たる約43万8千人の避難者を見込む。それだけに災害時の避難者名簿は計91・5%が公表を求めるなど、重要性を意識する回答となった。氏名公表の懸念は「特になし」が過半数を占め、公表の抵抗感が少ない傾向もみられた。

 災害時の避難者名簿については「公表してほしい」83・0%、「どちらかといえば公表してほしい」8・5%の計91・5%が公表を求めた。また、行方不明者の氏名公表も「公表」63・0%、「どちらかといえば公表」19・5%の計82・5%と多数を占めた。

 高知県は4〜6メートルの津波が押し寄せ、679人が死亡・行方不明となった1946年12月の昭和南海地震の被災経験もあり、住民の防災意識は高い。

 南国市では海岸沿いの集落に高さ10メートルの津波避難タワーの整備が進む。近くに住む自営業中村裕子さん(72)は「赤ん坊のころに経験した南海地震の話を聞かされて育った。個人情報保護は災害時に関係なく、全てオープンにして、安否の確認や捜索に役立てるべき」と力説する。

 県は16年度から浸水想定区域外の避難所900カ所ごとに避難所運営マニュアルの策定を進めている。避難者カードには、閲覧を想定した公表の可否を尋ねる項目もあるが、報道機関などへの公表は基本的に各市町村の判断になるという。

 氏名が公表されない「匿名化」の懸念では、「安否情報が分からない」が61・0%と多数を占めた。太平洋に面した沿岸19市町村は全て浸水被害が想定され、交通や情報インフラの断絶も懸念される。「名前は大切な手掛かり。遠方の人も安否を確かめられる」という声があった。

 一方、災害時の氏名公表の懸念は「特になし」が54・0%で、東京都(34・0%)や神戸市(27・3%)より際立って多い。郡部ほど顔の見える関係が構築されていることなどが背景にあるようだ。

【写真=海沿いの集落に整備された津波避難タワー。中村裕子さんは「東日本大震災後に防災意識はさらに高まった」と語る=高知県南国市・浜改田地区】

 【調査方法】東京都、神戸市、高知県の3地区で高校生以上の計千人(男性498人、女性502人)を対象に実施。3月19日〜4月13日に岩手日報社の記者が直接面談方式で行った。内訳は東京500人(男性254人、女性246人)、神戸300人(男性151人、女性149人)、高知200人(男性93人、女性107人)。3地区ともに60代以下が約8割、70代以上が約2割で、回答した最年少は16歳、最年長は94歳。質問は▽避難所に避難した場合、「避難者名簿」のような形で氏名を公表してほしいか▽行方不明者の氏名を公表してほしいか▽氏名が公表されない「匿名化」の懸念▽氏名が公表された場合の懸念―の4項目とそれぞれの理由を聞いた。



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