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東京・神戸・高知 本紙1000人調査

【東京】関係希薄だからこそ
2017年5月6日

 東京都、神戸市、高知県の住民計千人を対象に岩手日報社が行った直接面談調査で、災害時の避難者や行方不明者の氏名について、大多数が公表を求める考えが明らかになった。日本列島で災害が多発、広域化する中、3地区の調査結果の分析や住民の思いを紹介し、災害時にあなたの存在を証明する「名前」の持つ価値を考えたい。

 首都直下地震が懸念される東京都は氏名公表を望む声が多数を占め、避難者は93・2%、行方不明者も84・4%に上った。つながりの希薄化や地域コミュニティーに対する関心の低下が懸念される都市部だからこそ、実名による安否情報発信の意義を認識していることが明らかになった。

 避難者の氏名公表は「公表してほしい」が77・0%、「どちらかといえば公表してほしい」が16・2%。「どちらかといえば公表してほしくない」は3・8%、「公表してほしくない」は2・2%にとどまった。

 行方不明者は「公表」が60・6%、「どちらかといえば公表」が23・8%。「どちらかといえば公表してほしくない」が7・0%、「公表してほしくない」が6・0%だった。

 東京都は災害時、各区市がまとめた人的被害の「数」を情報収集することにしている。それ以上の情報の取り扱いや被害が広域化した場合の対応などは今後の検討課題だ。首都直下地震では断水などの影響で発災2週間後に避難者が最大で約720万人になるとの想定もあり、情報共有・伝達の対策は必須となる。

 アンケートでは「東京は普段からどこに誰がいるか分からず、情報は出したほうがいい」「田舎の家族に知らせたい」など地方出身者がいる都市部ならではの声も。一方で、「インターネット上での拡散が心配」との意見もあった。

 氏名が公表されない「匿名化」の懸念は「安否情報が分からない」が69・0%で最も多く、次いで「捜索が困難」が17・4%。「特になし」は8・4%、「その他」は2・2%、「生きた証しが残らない」は2・0%だった。

 一方、氏名が公表された場合の懸念は「特になし」が最多で34・0%。「メディアスクラム(集団的過熱取材)などマスコミの取材にさらされる」が26・0%で2番目に多く、「勧誘などトラブル」が25・0%と続いた。

 東京都町田市の会社員内田勝雄さん(51)は「一番不安なのは情報が入ってこないこと。安否情報を一元管理する体制づくりを進め、問い合わせにワンストップで答えられるようにしてほしい」と望む。

【写真=首都直下地震が懸念される東京都。都市部においても多くの住民が避難者、行方不明者の氏名公表を望んだ=東京都新宿区】

 【調査方法】東京都、神戸市、高知県の3地区で高校生以上の計千人(男性498人、女性502人)を対象に実施。3月19日〜4月13日に岩手日報社の記者が直接面談方式で行った。内訳は東京500人(男性254人、女性246人)、神戸300人(男性151人、女性149人)、高知200人(男性93人、女性107人)。3地区ともに60代以下が約8割、70代以上が約2割で、回答した最年少は16歳、最年長は94歳。質問は▽避難所に避難した場合、「避難者名簿」のような形で氏名を公表してほしいか▽行方不明者の氏名を公表してほしいか▽氏名が公表されない「匿名化」の懸念▽氏名が公表された場合の懸念―の4項目とそれぞれの理由を聞いた。



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