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第3部 見過ごされる名前・特集

「不明者公表して」過半数

 東日本大震災遺族アンケート、「安否分からず」最多

2017年3月7日

 岩手日報社は、東日本大震災6年を前に遺族を対象に災害時の氏名公表の在り方のアンケート調査を行い、震災で行方不明者の名前が公表されなかったことについて「公表してほしいと思った」と答えた行方不明者家族が51・6%と過半数を占めた。「公表されなくていいと思った」は18・8%にとどまった。遺族全体に聞いた不明者の氏名が公表されない「匿名化」の懸念としては「安否情報が分からなくなる」が39・4%で最多となり、約75%が何らかの懸念を示した。近年、災害時に行方不明者の名前が公表されないケースが増えているが、名前は家族が手掛かりを求めたり、「生きた証し」を残す意味でも大事な情報であることが浮き彫りになった。

 アンケートは継続調査に協力いただいている遺族320人を対象にし、254人が回答。うち行方不明者の家族64人に、不明者の名前が公表されなかったことについて聞いたところ「公表してほしいと思った」が51・6%、「公表されなくていいと思った」は18・8%となった。

 両親と次男が犠牲になり、妻が行方不明となった大槌町小鎚の会社員千葉孝幸さん(52)は「安否や手掛かりに関する情報が幅広く寄せられる可能性が高まるし、友人や知人同士の情報交換も密になる」と公表を求めた。

 一方、夫と義母が行方不明の釜石市箱崎町の仮設住宅に暮らす植田リツさん(71)は「生きていることに望みをかけている。現実は現実だが、まだ100パーセント理解できているわけではない」と、公表されなくてもいいとの思いを吐露した。

 「公表」を望む声の次に多かったのが「その他」で29・7%。被災直後に懸命に捜索した家族の負担は大きく、「名前が公表されるべきか、考える余裕がなかった」「公表されていないことを知らなかった」「公表、非公表について何も思わなかった」などの意見が目立った。

 東日本大震災の本県の死者(1月末現在)は4672人で、身元が確認された人は氏名が公表された。だが、行方不明者1123人、関連死461人の氏名は公表されていない。

 遺族全体に聞いた行方不明者の氏名が公表されない「匿名化」の懸念については「安否情報が分からなくなる」39・4%、「行方不明者の捜索に協力することが難しくなる」21・3%と続き、遺族が捜索の手掛かりを求めた状況がうかがえる。「生きた証しや災害の教訓が社会に残らなくなる」と合わせて74・5%が何らかの懸念を示した。

 【調査方法】東日本大震災の犠牲者を追悼する企画「忘れない」取材に協力した遺族320人を対象に行ったアンケートの中で、災害時の匿名発表について6項目を聞いた。調査は1月23日〜2月21日に岩手日報社の記者が郵送、電話、直接面談で行い、254人(男性118人、女性136人)の結果を集計した(回答率79・4%)。「氏名が公表されなかったことをどう思うか」の設問は行方不明者家族64人を対象とし、残り5項目は全員に聞いた。データは小数点第2位で四捨五入しているため合計が100にならないことがある。



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