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第2部 命の名簿・特集

公表の課題

 個人情報保護に苦慮、基準を定める難しさ

2017年2月7日

 「個人情報保護との兼ね合いが難しい」「個人情報なので、公表には慎重にならざるを得ない」―。岩手日報社が行ったアンケートで避難者名簿の作成、公表の課題について、多くの自治体が個人情報保護を挙げた。プライバシー意識の高まりを背景に、対応の難しさが浮き彫りになった。

 東日本大震災時、避難者名簿を張りだし、多くの安否確認の問い合わせに対応した釜石市。佐々木亨危機管理監は「当時は問題にならなかったが、知られたくない人もいるはず。規模や被害などその時の状況で判断も必要」と個人情報の取り扱いの難しさを話す。

 避難者の中には、DV(ドメスティックバイオレンス)やストーカーの被害者など、さまざまな事情を抱えた人がいることも想定される。「不適切な利用につながるとの懸念の声もある」(久慈市)との意見もあり、公表を望まない人の把握や対応が大きな課題となっている。

 「どこまで(名簿情報を)公表すべきか」(平泉町)や「災害の状況によって、ケース・バイ・ケースで判断しなければならない。基準を定めることも難しい」(一関市)などを訴える声もあった。

 災害が大規模になればなるほど自治体職員はさまざまな対応に追われる。「情報収集にかかる人員確保の問題もある」(二戸市)、「限られたマンパワーの中で個人の事情に配慮し、公表、非公表を決めるのは大変ではないか」(雫石町)など、組織体制の課題を指摘する声も上がった。

 葛巻町総務企画課の波紫(はし)徳彰総務室長は「規模によっては職員を避難所に配置しても名簿対応だけに専念できない場合もある。避難者名簿の作成、公表は避難所運営の仕方とともに考えたい」とする。

 震災時、把握が難しかった在宅避難者の確認や名簿作成も課題だ。

 盛岡市危機管理防災課の藤沢厚志課長は「自宅に避難している人も把握しなければいけない。現在、短期避難用と長期避難用の2種類の名簿様式があるが、在宅避難者用の様式もこれから設けたい」と語る。

 【調査方法】県内33市町村の防災担当責任者に1月中旬から下旬にかけて、直接面談方式で回答を得た。調査項目は▽避難者名簿の作成を避難所運営マニュアルなどで規定しているか▽避難所名簿を誰もが安否確認できるよう張りだしなどで公表するか▽避難者名簿作成・公表の課題―など。



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