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第1部 安否を伝える・特集

全国的な仕組み必要

 木村 拓郎氏(減災・復興支援機構理事長)

2017年1月8日

 行方不明者の情報を公表するか、しないのか、全てのケースを一緒くたに議論するのは難しい。メリットも、デメリットもある。すべて同じように情報を開示することだけが正解かということは考える必要がある。

 そもそも、安否確認の仕組みをつくることが第一歩ではないだろうか。安否確認から行方不明者への絞り込みにつながる。その部分も課題になっているのではないかと考える。

 東日本大震災のような規模の災害になると、安否確認が膨大な量になることも想定される。災害時に一つの自治体の手に負える話ではない。震災時は民間ベースで検索できるデータベースが役に立ったとの声を聞く。民間の協力を得て、文字情報で安否を確認する全国的な仕組みをつくりあげていくことが必要だろう。

 関東・東北豪雨の常総市の事例から見えたのは、関係機関の連携の悪さだった。自治体が行方不明者の情報の取り扱いに慣れているわけではない。行方不明者も含めて、情報の取り扱いの所管をどこにするのか。一元化しなければ問い合わせをする側もしにくく、混乱も続く。

 一方で、特定のシステムや個人に依存するような仕組みは災害時に危うい。阪神大震災の時、小さい集落の漁村で消防団が安否確認と救助に入った。コミュニティーが密なので家族構成などを把握しており、早い段階で安否が分かり、みんな所在が分かった。

 コミュニティーがしっかりしていることが安否確認、救助のスピードアップにつながる。「地域の結束力や組織力は命を守る」ということの象徴的な出来事だったと思う。誰が行方不明かという情報を得るためにも地域の力は必要だ。情報発信が早ければ対応が早くなるのは確か。情報のスピード感はまさに人命に関わる。

 ただ、今後はどうだろうか。地域コミュニティーが希薄になっていると言われる中、今以上に地域内の情報共有は難しくなる。今はネット社会。コミュニティーの重要性の認識度も低くなっていく。お互いを助けて、命を助ける。そのベース、底流に地域力があるということを認識していかなければならない。

 「地域力」を支援していくことが、安否確認や行方不明者の早期発見につながっていくと考えている。それは防災減災のすべてにつながる。

 (談)

【写真=「地域の結束力や組織力が命を守る。それが安否確認や行方不明者の早期発見につながる」と強調する木村拓郎理事長=東京都内】



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