新聞購読のご案内広告料金携帯サイト    
トップ スポーツ 経 済 暮らし・文化 世界遺産 選 挙 啄木・賢治 防 災 企画・特集 お買い物
訃報     風土計[コラム]     論説     社告     電子号外   
 Web サイト内

第1部 安否を伝える・特集

家族と相談 思い受け

 関東・東北豪雨(2015年)茨城・境町−公表

2017年1月8日

 2015年9月の関東・東北豪雨による水害で、男性1人が犠牲となった茨城県境町は、不明者の情報をつかんで間もなく実名の公表に踏み切り、町を挙げて捜索に当たった。

 「行方不明者がいるらしい」との情報は9月14日朝、町職員から入った。町内に住む40代男性。家族に話を聞くと、10日朝に自転車でコンビニに行くと言ったきり、帰ってこないという。9日夕方からの大雨で、町内は広範囲で浸水していた。

 情報をつかんですぐ町が主体となって警察、消防、消防団などによる捜索本部を近くの公民館に立ち上げ、捜索活動を開始。しかし16日朝、その男性が使っていたとみられる自転車が浸水地帯で発見され、雨に流された可能性が高まった。

 この時点で橋本正裕町長は「安否確認が最優先だ」と、家族に公表について相談するよう職員に指示。「もしかして生きているかもしれない。なんとか見つけてほしい」とわずかな望みを託す家族の思いを受け、氏名、年齢、住所を町のホームページや防災無線で公表した。

 捜索の結果、同日夕方に地元の消防団員が遺体を発見。昔の言い伝えで、「大水」でごみや木が流れ着いたという場所を捜索したところ見つかった。悲しい現実にも、家族からは感謝されたという。

 常総市などの被災地では不明者の安否確認の在り方が問われたが、橋本町長は「個人情報保護の議論はあるが、住民の人命を考えれば行政は批判を恐れず不明者の公表をするべきだ。名前を公表し、無事であればそれで良い」との考えを一貫する。

 町では公表のルールを定めていないが、町防災安全課の野村静喜課長は「公表することで捜索の時間をかなり縮小できる。そのときの判断だが、命に関わるような場合は公表が必要だ。自然災害が多くなる中で、公表についての一定程度の基準や、事前に準備するような枠組みづくりなど、議論していくことはいいことだ」と提起する。

【写真=鬼怒川の決壊した堤防は修復され、少しずつ住宅の再建も始まっている=常総市三坂町】



[PR]

 岩手のニュース


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます。
岩手日報社 Copyright(c)2017, IWATE NIPPO CO.,LTD. All rights reserved