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【大船渡】知恵と技で浴室できた 手近な物を利活用


 

 津波の家屋被害により約30人が避難する大船渡市末崎町の碁石公民館。漁業道具や鉄釜、湧き水…。かき集めた「使えるもの」を、地元大工らがフル活用して浴室を手作りし、住民生活の向上に役立っている。

 「まずは風呂だ。沸かすのを作るべ」。住民の日常生活を奪い去った大津波から約1週間後、地元有志の数人が立ち上がった。手近な物を利活用するアイデアがどんどん膨らんだ。

 熟練の技工たち。合板やブルーシートなどを駆使して、公民館前に広さ6畳ほどの浴室が姿を現した。作り始めたら一気、完成に丸1日とかからなかった。

 湯にするのは地区内の湧き水。軽トラックで運搬してはケースに保管する。住民の自宅から持ち込まれた直径約1メートルの2種類の鉄釜に水を入れ、がれきから集めた木片を燃やして沸かす。

 鉄釜近くから浴室内に置いたワカメ保管ケースの上まで「とい」を渡しており、湯をひしゃくで流し込んでケースにためる。

 利用者はかけ湯方式で体を洗う。これまで「風呂の日」が6回ほど設けられた。避難住民が同市内の五葉温泉に行く「公的サービス」が週1回に限られている中、心強いシステムとなっている。

 強風の時に湯を沸かす作業ができない難点はある。しかし、製作メンバーの一人、大和田清一さん(61)は「みんなの道具や知恵を結集した」と胸を張る。

 これまで4回利用した千葉裕美さん(54)は「本当にありがたい。考えて作ってくれた人に感謝しなくては」と頭を下げる。

【写真=地元大工らがワカメケースや合板、ブルーシートなどで仕上げた浴室。湧き水を沸かした風呂は避難住民に好評だ=大船渡市・碁石公民館】

(2011.4.7)


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