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2017.12.6

 青は「進め」、赤は「命懸けで進め」というのはお笑いネタだが、そんな運転を見掛けることが少なくない。交差点の手前で、黄色から赤への変わりばなにアクセルをふかす車が結構ある

▼止まれる余地があれば、アクセルではなくブレーキを踏むのが正解。黄信号は基本的に赤信号と同じく「止まれ」だが、そんな気配もなく猛然と行き過ぎる運転者は、「命懸けで進め」と確信しているのだろう

▼黄信号が赤と違うのは、安全に止まれない場合は進める点にある。その判断は運転者次第。右折待ちで黄になったから進もうにも、対向車が止まってくれないかもしれない。ルールはあるが、認識は千差万別だ

▼そういう場合は、対向車を運転する人の気持ちを忖度(そんたく)する。交通社会は、わが身の都合だけでなく歩行者や自転車を含めた他者の安全に配慮することで成り立つ。「お急ぎですね」と、笑顔の一つも向けようか

▼流行語大賞に選ばれた「忖度」は、森友学園や加計学園の問題で世間に広まった。行政の公正さが疑問視されたことでダークなイメージがすり込まれたが、本来は思いやりや配慮を意味する優しい言葉でもある

▼「俺が、私が、わが国が」と、内外を問わず自分第一主義が一層際立った年。損得に通じる使われ方に、もしも「忖度」に心あらば受賞の喜びも中くらいと忖度する。


   
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