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2011.10.21

 道の駅で食用菊を買ってきた。この辺の代表的な品種は黄色の「阿房宮」と紫色の「もってのほか」。秋の味覚は舌も目も楽しませてくれる

▼松尾芭蕉に「蝶も来て酢を吸ふ菊の膾(なます)かな」の句があるように、日本では菊を食べる習慣が古くからある。酢の物のほか、おひたし、吸い物などが食卓を彩る。しゃきしゃきした歯触りと、ほのかな香りもごちそうだ

▼もう一つの菊を思う。皇居のハマギク。今年も清楚(せいそ)な花を咲かせた写真が昨日の新聞に載った。5月初め、天皇、皇后両陛下が本県の避難所をお見舞いに訪れた際、皇后さまが「美しく育っていますよ」と話された花だ

▼1997年に大槌町で「全国豊かな海づくり大会」が開かれた時、来県された両陛下に種を差し上げたという。同町の被災者にそのエピソードを語って元気づけた。それから半年がたった。沿岸では今、白い花が咲き乱れている

▼ハマギクは1属1種の日本固有種。学名はずばり「日本の菊」。茨城県から青森県にかけての太平洋岸に自生する北方性の菊だ。分布域は偶然にも、東日本大震災の大津波が押し寄せた場所とぴったり重なっている

▼そして、ハマギクの花言葉は「逆境に立ち向かう」。津波に負けずに咲いた花は、苦難から立ち上がる三陸の人々を懸命に励ましているようだ。


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