若竹さん万感、亡き夫へ「私やったよ」 芥川賞受賞


 「人生の終盤でこんな晴れがましいことがあるなんて」−。デビュー作「おらおらでひとりいぐも」(文芸冬号)が第158回芥川賞に決まった遠野市出身の若竹千佐子さん(63)=千葉県木更津市在住=は16日、東京都内で開かれた記者会見で、一言一言かみしめながら万感の思いを語った。母が努力する姿を見守ってきた家族のほか、地元の同級生らも祝福。本県では2017年第157回の沼田真佑さん(39)=盛岡市在住=の「影裏(えいり)」に続く2回連続の受賞となり、文学関係者も歓喜に沸いた。

 若竹さんは赤茶のワンピース姿で、帝国ホテルでの会見に臨んだ。まばゆいカメラのフラッシュを浴びながら「信じられないというのが最初の気持ち」と驚きの表情で喜びを語った。

 「おらおらで―」は、74歳の女性の桃子さんが主人公。子育てを終え、夫をみとった女性の「自由さ」を古里の言葉を使って紡いだ。昨年10月に新人文学賞の第54回文芸賞(河出書房新社主催)を受賞。その後単行本となり、話題となっていた。

 若竹さんは、作中の主人公と同様に09年7月に病気で夫和美さん=当時(57)=を亡くしている。夫への報告の言葉を問われると「和美さん、私やったよ」と気丈に語り、真っ赤になった目で天を見上げた。

【写真=笑顔で芥川賞受賞の喜びを語る若竹千佐子さん=16日、東京都千代田区・帝国ホテル】


電子号外
(2018/01/17)

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