釜石の師走に「第九」響け 10日、市民ホール完成祝う


 釜石市の師走を彩る「かまいしの第九」(実行委主催)は10日、40回目の公演を迎える。東日本大震災後も途切れることなく続いてきた市民の文化活動の象徴。テーマは「苦悩から歓喜へ」。今年は同市大町の市民ホール「TETTO(テット)」の完成を祝う「こけら落とし公演」として、約170人の歌い手がオーケストラとともに節目と新たなスタートを祝い「歓喜」の歌声を響かせる(10日紙面で特集)。

 「かまいしの第九」の前身として、釜石市で第9の演奏が始まったのは1977年。東京荒川少年少女合唱隊を国内有数の児童合唱団に育て帰郷した、同市の宝樹寺元住職・故渡辺顕麿(あきまろ)さん(1931〜96年)が指導した釜石混声合唱団の27人がわずか6人の伴奏で歌った。

 78年には渡辺さんや団員の働きかけで「第九を歌う会」を結成。12月に市民ホールの前身である市民文化会館の開館を記念し、106人の歌い手と75人の吹奏楽団による第1回の「かまいしの第九」が開催された。

 その後は自分たちでオーケストラを集めた。1時間を超える第9のほかにもう1曲を発表するなど、新鮮で飽きのこない「手づくり」の演奏会を目指してきた。年末になると全国各地で第9のコンサートが開かれるが、地方都市で40年続く公演は珍しく「数年でやめるなら最初からやるな。100年先を思え」という当初からの渡辺さんの思いを受け継いでいる。

 チケットは既に完売しており、当日券は販売されない。

【写真=本番前日、総仕上げの演奏で「かまいしの第九」を高らかに響かせる出演者たち=9日午後6時37分、釜石市大町・釜石市民ホール】

(2017/12/10)

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