県内シカ害深刻、対策急務 捕獲頭数維持に課題


 県内で今季のシカ猟が始まった。近年は生息域が急速に広がり、各地で農作物被害が深刻化。県は2023年度までに県内に4万頭(13年度末時点)生息すると推計されるシカを半減させる目標を立てているが、ここ数年の捕獲数はほぼ横ばい。本県では東日本大震災の東京電力福島第1原発事故の影響で捕獲した獲物の利用が進まず、ハンターの高齢化も進む中、今後も被害拡大が懸念される。

 解禁日の1日、遠野市土淵町の貞任高原に早朝からハンターが集まった。10人で入山した江刺猟友会(菅野範正会長)は、勢子(せこ)役が大声でシカを追い立て、反対側で待ち伏せるハンターが仕留める「巻き狩り」などで早速5頭を仕留めた。菅野会長は「農作物被害を減らすには、われわれハンターが何とかしなくては」と意気込む。

 シカの狩猟期は来年3月末まで。県が県猟友会に捕獲を委託する指定管理鳥獣捕獲等事業も1日〜2月末に行う。県内の捕獲頭数は、通年行う有害捕獲と合わせ16年度が1万997頭で過去最高となったが、ここ数年は伸び悩んでいる。

 県によると、シカの自然増加率はおよそ1・25倍で、現在の4万頭を半減させるには毎年継続して1万頭以上捕獲し続ける必要があるとされる。近年は若者の狩猟免許取得が増加傾向にあるが、16年度は60歳以上が61・6%を占め高齢化が顕著だ。引退するベテランハンターも多く、現状の捕獲頭数を維持できるか懸念されている。

【写真=チームワークが必要なニホンジカの巻き狩りの打ち合わせをするハンター。愛好者の拡大が課題だ=遠野市・貞任高原】

(2017/11/10)

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