「孫ターン」高まる期待 本県定住、新たな可能性


 全国の自治体が定住・移住対策としてUターンやJターン、Iターンにしのぎを削る中、祖父母の居住地を縁に県外から移住する「孫ターン」が注目されている。「孫」に当たる当事者への働き掛けが難しく実数も把握されていないが、祖父母の家や農地、地縁、血縁があるため生計を立てるきっかけが得やすく、市町村には定住対策の一環として可能性に期待する声がある。若者同士の交流の場づくりなど支援を検討する動きもあり、展開が注目される。

 仙台市若林区出身の昆さよ子さん(32)は2015年末、父の出身地の二戸市福岡に移り住んだ。父の死をきっかけに「祖父母の残した農地を何とかしたい」と就農を決意。果樹農家から栽培技術を学ぶ地域おこし協力隊「果恋(かれん)ジャー」として活動している。

 農機具の扱いなど最初は分からないことだらけだったが「やればできないことはないと分かってきた。自分のペースで働けるし、お裾分けするのも楽しい」と手応えを感じている。

 一戸町職員の蛇沼孝乃信(じゃぬま・たかのしん)さん(24)は東京都品川区出身。16年春に同町高善寺に移住し、祖父母と共に暮らす。昔、祖父が使っていた自転車で通勤し、食卓には食べきれないほどの手料理が並ぶ。

 町商工観光課でイベントの企画運営や雇用関係を担当しており、「『よそ者』ならではの視点で、町の盛り上げに携わりたい」と意欲的だ。

【写真=「町の盛り上げに貢献したい」と誓う蛇沼孝乃信さん=一戸町役場】

【写真堰=u作る楽しさが分かってきた」と農作業に励む昆さよ子さん=二戸市石切所】

(2017/10/20)

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