介護者「体の不調」7割 県立大・被災地実態調査


 県立大社会福祉学部の教授らで構成する被災地のケアラー研究会(代表・狩野徹同学部長)が東日本大震災被災地の介護者を対象に行った調査で、体の不調を感じている人が約7割に上った。震災以降に上昇傾向で、生活環境やコミュニティーの変化、介護年数の長期化などが背景とみられる。介護者が抱える負担感の大きさも浮き彫りになり、専門家は「課題先進地」である被災地での介護家族の支援の必要性を強調する。

 「そうそう。よく飲んだな」。宮古市津軽石の大久保弘さん(82)は妻ミヨさん(78)に乳酸菌飲料を飲ませ、優しく額をなでた。ミヨさんは10年ほど前に脳挫傷のため介護が必要となり、震災後は介護ベッドに寝たきりの状態となった。

 2人暮らしで、家事も弘さんが担うが数年前から足腰が弱まり、腕に力も入らない。ミヨさんの体を起こすこともできず、介護ヘルパーやデイサービスなどを利用しなければ介護は厳しい。「逃げるわけにはいかず自分がやるしかない」。弘さんはこうつぶやく。

 同研究会の調査で体の不調を感じている人は66・0%で2011年度(55・9%)、13年度(62・3%)より増加。性別では男性71・2%、女性64・9%で、男性がより不調を感じていることが分かった。年齢が高くなるにつれ不調を訴える割合は高くなっており、弘さんのような80歳以上は92・3%に上っている。

【写真=寝たきりのミヨさんに乳酸菌飲料を飲ませる大久保弘さん。足腰が弱くなり、年々介護の厳しさを実感している=宮古市津軽石】

(2017/09/25)

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