県内産業、商機なるか 日欧EPA大枠合意


 日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が今月、大枠合意に至った。2019年の早い段階での発効を目指しており、チーズや豚肉・牛肉、県を挙げて生産振興に取り組むワインや工業製品などの関税が段階的に引き下げ・撤廃される。県内の産業関係者は、これらの環境変化に立ち向かうため、独自ブランドの確立やPR強化など、さまざまな対応を模索している。

 「欧州とチーズ市場で本格的な戦いができる。チャンス到来だ。品質や岩手の風土で育ったストーリー性などを強みにしたい」。チーズなどを製造販売する多田自然農場(遠野市青笹町)の多田克彦社長は大枠合意を冷静に受け止める。

 同社はチーズの自由化を10年ほど前から予測し、従業員がスイスやフランスで製造技術を磨くなど独自ブランド確立を推進。多田社長は「農業は時代や環境変化に対応していかなくてはならない」と強調する。

 一方、チーズなど加工用が多い北海道産の生乳が欧州産チーズの輸入増に押されて仮に飲用に回れば、本県の酪農への影響も懸念される。現場にはこうした状況を警戒する声もある。

【写真=EPAをチャンスと捉え、遠野産チーズの製造に励む多田自然農場の多田克彦社長(左)ら=遠野市青笹町】

(2017/07/17)

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