地デジテレビ対応進まず 築年数古い県内の集合住宅


 

 県内の築年数が古いマンションなど一部集合住宅で、地上デジタル化対応が進んでいない。共同受信施設の大規模改修が必要となる場合もあり、多額の費用がかかるため、所有者の合意形成に手間取るためだ。国の助成金もあるが、要件のハードルが高いとの不満もくすぶる。来年7月のアナログテレビ放送終了まで1年。助成申請の期限は8月末に迫り、関係機関は早期の対応を呼び掛けている。

 盛岡市加賀野4丁目の小岩井中津川マンション(14階建て、122戸)は今月上旬、管理組合の役員会で地デジ対応を協議した。

 業者の見積もりでは、棟内のケーブルを交換しない簡易的な工事でも、費用は約400万円。改修が必要なことに異論はなかったが、別業者の見積もりを取るなどさらに検討することで一致した。

 同マンションは1974年の完成で老朽化が進む。熊沢広一理事長は「壁や手すりなどほかに改修したい所はあるが、地デジを優先せざるを得ない」と苦しい胸の内を語る。

 築年数が古い集合住宅では、各世帯が屋上のアンテナから棟内配線でVHF電波を受けてテレビを見ている。UHF電波もVHFに変換しているが、地デジはUHFのみを使用するため、ケーブルの交換など大規模改修が必要になる。

 負担軽減に向け、総務省は助成制度を用意して8月末まで申請を受け付けている。だが1世帯当たり経費が3万5千円以下だと対象外。小岩井中津川マンションの場合は助成対象に届かず、全額を積立金の取り崩しで充てざるを得ない。

 総務省県テレビ受信者支援センター(デジサポ岩手)によると、県内で100戸以上の大規模集合住宅の地デジ化はほぼ完了。しかし、100戸未満の古い建物は地デジ未対応が少なくないという。合意形成の遅れが背景にあるとみられる。

 総務省の3月現在の調べでは、本県の地上デジタルテレビ放送対応受信機の世帯普及率は66・7%と全国ワースト2位。

 デジサポ岩手の野田尚紀次長は「テレビも水道管などと同様、集合住宅にとって改修が急務のインフラ。一定の要件で国の助成もあり、デジサポに相談してほしい」と対応を呼び掛ける。

【写真=早急な地上デジタル化対応を迫られる集合住宅。多額の改修費用に管理組合は苦慮する=盛岡市加賀野4丁目、小岩井中津川マンション】

(2010/07/17)

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