台風10号被害の教訓胸に備え 本県台風5号接近


 県内は7日、今年初めて接近する台風5号に対する警戒感が高まった。関係者は死者、行方不明者23人を出した昨年の台風10号豪雨の教訓を基に情報収集と備えに奔走。高齢者施設は早い段階で避難できるよう準備に余念がなく、被災地や水害が想定される地域の住民も気を引き締めた。収穫期を控えた農業関係者は、台風が被害なく過ぎ去ることを願った。

 高齢者施設16事業所を運営する大船渡市大船渡町の典人会の事務所では、職員らが台風5号の進路を伝えるニュースを食い入るように見つめ、備蓄する毛布や飲食料品の確認に走った。

 昨年の台風10号豪雨では、高齢者らの早期避難を促す「避難準備情報」の意味が現場に伝わっていなかったため、岩泉町の高齢者グループホーム「楽ん楽ん」の入所者9人全員が死亡。これを受け、国は同情報の名称を「避難準備・高齢者等避難開始」に変更した。

 大雨災害のほか突風の恐れもあり、奥州市江刺区愛宕(おだき)のリンゴ農家小沢正直さん(37)は盆すぎの収穫を予定する紅ロマンの色づきを確認。「雨はあまり心配していないが、風は弱まってほしい」と祈った。県は7日、圃場管理徹底や排水対策などを呼び掛ける農作物技術情報号外を出した。

 避難情報を出す市町村も準備を進めた。盛岡市は8日、明るい時間帯のうちに市民が避難できるよう情報収集を徹底。県は市町村が避難情報を的確に判断できるよう、6月に専門家らが助言する支援チームを設置しており、動向を注視する。

【写真=収穫期を控えた極わせ品種、紅ロマンを心配そうに確認する小沢正直さん=7日午後4時25分ごろ、奥州市江刺区愛宕】

(2017/08/08)
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