岩泉の老舗宿、営業再開へ 台風被災も「町を元気に」


 昨年8月30日の台風10号豪雨で大きな被害を受けた岩泉町門の瀬戸屋旅館が、2月6日の営業再開に向けて準備を進めている。約150年の歴史を誇る旅館を切り盛りする辺見むつ子さん(68)は、自宅や倉庫が全壊し、旅館1階は約60センチの床上浸水。泥に覆われる館内はボランティアの協力も得ながら、間もなく再開という状態までこぎ着けた。被災から5カ月が経過し辺見さんは「町全体を元気にしたい」と常連客らとの出会いを心待ちにする。

 1月下旬、盛岡、宮古市などから駆け付けたボランティアが、浸水のため2階に上げていたたんすや机などの運搬を手伝った。辺見さんは「重いから気を付けてね。テーブルやストーブは2階に」などと指示を出し、自らは事務所や客室の準備に汗を流した。

 被災後、ボランティアや避難生活を送る住民への炊き出しも続けてきた辺見さんは「皆嫌な顔一つ見せず泥かきや重い荷運びを手伝ってくれる。本当にありがたい」と感謝の言葉を口にする。

 昨年7月にリフォームを終えた自宅や冷蔵保存していた郷土料理の食材などは豪雨で全て流された。一時は廃業も考えたが、昔なじみの客や知人からは「早く旅館を再開して」と励ましの声援を受け、片付けに駆け付けてくれた人も多い。辺見さんは「町は雪解けが進む春から復旧に向けて本格的に動きだす。地域住民と協力し町全体を元気にしていきたい」と意欲を見せる。

【写真=5カ月ぶりの営業再開に向けて、準備を進める辺見むつ子さん】

(2017/01/31)
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