釜石・橋野鉄鉱山で新遺物 鉄加工炉の部品出土


 釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」で、文献にしか記録がなかった鉄の加工場について、その存在を裏付ける手掛かりとなる遺物が見つかったことが25日、分かった。炉に風を送る器具の一部で、昨夏の台風10号豪雨で表土が流出し見つかった。製鉄炉とは別に、貨幣鋳造や鍛冶用の炉があった可能性がある。市などは本格調査に乗り出す構えで、鉄採掘から製鉄、加工まで担う一貫生産の場だったことが改めて示されそうだ。

 市によると、見つかったのは、ふいごの先端部の羽口(はぐち)と呼ばれる円筒状器具の一部。土製で長さ、幅ともに約10センチ。市が台風10号豪雨の被害調査を行った際、三番高炉に近い草地の表土が一部流出し、羽口が地表に露出していた。焼け焦げたような赤土層にあった。

 製鉄用高炉に用いる羽口は鉄製で、土製羽口は、高炉で造った鉄を溶かして貨幣鋳造に用いる炉や、刀や農具用の鍛冶炉に使われた可能性がある。

【写真=「羽口」が見つかった、三番高炉そばの草地(中央)。昨夏の台風で表土が流出して見つかった=2016年9月(釜石市提供)】

(2017/04/26)
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