地域でNIE200回 北上「新聞を読んで今を語る会」


 2001年以来、毎月開かれてきた「新聞を読んで今を語る会(まうすりい)」は、200回の節目を迎えた。記念すべき会合だが、北上市の元教員らを中心にした参加者は、いつも通りここ1カ月間で心に残った記事を発表。自然体で「記念日」を迎え、「知的好奇心をくすぐる会を続けていこう」と誓い合った。

 語る会は、北上市の元教員、PTA関係者らで組織し地域でNIEを実践する「ぴぴっと(PPT)研究会」(小笠原味佐枝会長)が主催し、毎月1回開催。1カ月間新聞を読み、興味を持った記事の感想を述べ合う。

 200回目は8日、同市大通りの集会室で開き、同市や一関市などの元教員ら10人が参加。盛岡市の幼稚園サツマイモ盗難事件や登った木から下りられなくなった野良猫、岩手大生のNIE挑戦、高齢者施設で新聞の読み聞かせを行う記事などが話題に上った。

 サツマイモ盗難事件については「続報は寄付が届いた温かなニュースになったが、子どもの育てた芋を盗むなんて、許せない」と参加者皆が立腹。岩手大生のNIE学習会を取り上げた一関市千厩の萩庄澄子さん(81)は「子どもたちへの指導を考えるいい教員になると思う。先輩もこのように新聞に親しんでいることを伝えたい」と発言し、それぞれエールを送った。

 岩手日報の木登り猫の記事を手にした北上市町分の高橋裕子さん(61)は「下りるところまできちんとフォローした。野良猫殺処分の記事を合わせて掲載したのも良い配慮」と指摘した。

 読む会スタート当初からのメンバーで大病を患い近年3年ほど休んだ一関市千厩の小野寺邦子さん(80)は数回前から参加再開。「休んでいる間も、電話で内容を伝えてくれ、一関で開いてくれたこともあった。それぞれ関心のあるニュースも考え方も違う。みんなで語り合う『まうすりい』は楽しく、続けていきたい」と振り返る。

 小笠原会長(78)は「200回続けられたのは、集まってくれるみんなのおかげ。難しく考えず続けていきたい」と、参加者の発言に耳を傾けた。

学びの場、提供に尽力 ぴぴっと研究会

 「新聞を読んで今を語る会」を主催する「ぴぴっと(PPT)研究会」は、NIEの学びの場を広げる活動を展開してきた。

 ぴぴっと(PPT)はペーパー(Paper=新聞)、プラクティス(Practice=実践)、セオリー(Theory=理論)の頭文字と、フィランソロピー(Philanthropy=社会貢献)のPTの掛け合わせ。地域のNIE実践団体として2000年4月に活動を開始した。

 会長は元黒沢尻北小校長の小笠原味佐枝さん。教員経験者やPTA関係者ら「新聞好き」が集まりPTA会報作り講習会や親子新聞スクラップ講習会からスタート。小笠原さんは「現役時代に行っていた新聞スクラップや新聞作りが子どもの力を伸ばすことを確信していた」と振り返る。

 翌年に語る会を始め、02年には「子どもぴぴっとクラブ」を立ち上げた。対象は北上市内の小学校1〜6年生で年5回活動。新聞を活用し楽しく学び、他市町村への出前授業も展開。

 クラブでは、遊びの要素を交え▽新聞の構成を知る▽記事にある都道府県名を地図で探す▽5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)を記事から学ぶ−ことなどに子どもたちが目を輝かせた。

 04年と11年に、クラブで実践した新聞活用の手法をまとめた「子どもぴぴっとクラブマニュアル」第1号、第2号を発行。毎回活動の振り返りに作った「新聞かるた」も製作した。

 「活動が独善的にならないように」と県内外の研修会に出向きNIE全国大会は1998年の仙台大会以降、10回参加。2002年札幌大会では実践発表した。

 児童対象の活動は小学校の学習指導要領に新聞活用が明記されたのを機に12年に終了したが会員らが保育園で新聞を活用した活動を実践。来年のNIE全国大会盛岡大会で紹介する。

【写真=200回目の会合を自然体で迎えた「新聞を読んで今を語る会」。1カ月間で心に残った記事をいつも通り一人一人が発表し会話を弾ませた】

【写真=子どもぴぴっとクラブの学習の振り返りとして作られた「ぴぴっと新聞かるた」】

【写真=実践記録をまとめた「子どもぴぴっとクラブマニュアル」。NIEの手法を満載している】

(2017/11/22)
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