【山田】震災の教訓つなぐ一冊 町が4年かけ発刊


 山田町は「3・11 残し、語り、伝える 岩手県山田町東日本大震災の記録」を発刊した。震災から6年を経て、改めて町民の証言を基に当時の事実関係を掘り起こし、学術経験者が避難行動などを検証した。構想から取材、編集を一人で担当し4年かけて完成させた町任期付き職員の佐藤孝雄さん(51)は「災害は再び、どこにでも起こりうる。記憶を記録し、反省や教訓につなげたい」と望む。

 A4判、272ページ。5章で構成し多くの写真やグラフを掲載する。第2章「語る」では、町内6地区の被災の様子を町民が証言。山田地区では「津波火災」を特集し、当時の消防団員に消防活動の様子を聞いた。船越地区では、機転を利かせて子どもを守った用務員の行動から教訓を探る。大浦地区では、被災した指定避難場所で犠牲になった9人の存在に切り込んだ。

 第3章「伝える」では、宮古市出身で鹿児島大総合教育機構共通教育センターの岩船昌起教授(地理学)らが執筆し、各地区の地形や地質、土地改変の経緯を解説した上で避難行動を分析。避難所での献立の栄養学的な調査も試みた。

 7千部作製し、町内全戸に配布した。県内の公立図書館や町の公式ホームページなどでも閲覧できる。

【写真=町民の被災体験をまとめた震災記録誌を手にする佐藤孝雄さん】

(2017/08/16)
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