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 第62回岩手日報体育賞

体育賞

渡部 知也選手(シリウス)
 第72回国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会スピード成年男子1500メートル、5000メートル優勝

 大会新で2種目栄冠

 1月に長野市で行われた国体スピード成年男子1500メートルで1分47秒12の大会新記録をマークし優勝した。5000メートルも6分22秒49の大会新記録で勝ち、2冠に輝いた。

 1500メートル決勝は8人で争われ、最後のホームストレートで責任先頭(1回)を完了し、そのままトップでゴールした。2位の選手に0秒37の差をつけた。5000メートル決勝は12人で争われ、最後の直線で責任先頭(4回)を完了し、追い上げた2位の選手とほぼ並んでゴール。100分の4秒差の接戦を制した。

 北海道豊頃(とよころ)町出身の26歳。2015年に本県の県体協所属となったが、岩手国体では5000メートル2位とあと一歩で優勝を逃し、雪辱を果たす栄冠となった。


熊谷 萌選手(盛岡工高2年)
 第72回国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会 スピード少年女子500メートル優勝

 2年連続で全国制す

 1月に長野市で行われた国体スピード少年女子500メートルで優勝し、国体初出場で栄冠をつかんだ。

 29日に行われた決勝は4人で争われ、3コースからスタート。全国高校選手権を制した北海道の選手の後ろについてレースを進め、最後に逆転。2位に0秒02差の40秒78でトップを奪い、ゴールした。

 国体のスピードスケートで県勢の女子が優勝したのは2年ぶり2人目。滝沢二中3年の昨年は全国中学校大会の500メートルを制し、1年後は1年生で国体制覇。2年連続の全国優勝は、順調な成長の証しとなった。

 小学校時代から父・元(つかさ)さんが監督を務める巣子スピードスケート少年団で練習に励み、さらなる飛躍が期待される大器。


土屋 正恵選手(日本大3年)
 第72回国民体育大会冬季大会スキー競技会 距離成年女子A5キロクラシカル優勝

 努力重ね初Vつかむ

 2月16日に長野県白馬村で行われた国体距離成年女子A5キロクラシカルで初優勝した。距離の県勢では24年ぶりの栄冠となった。

 当日は気温7.9度の快晴。軟らかく湿った雪とアップダウンを繰り返すコースに耐えながら、最後まで力強くスキーを進め、ゴールした。優勝タイムは、同じ日本大の秋田県の選手に4秒差をつける16分4秒0だった。

 八幡平市安代地区出身。小学3年生でスキーを始め、安代中3年時に全国中学校大会距離3キロクラシカルで3位に入って以来、全国大会で数々の入賞を果たしてきたが、優勝はこれが初めて。本県の指導者が「最後まで諦めず、妥協を知らない性格」と口をそろえる身長151センチの努力家。


紫波総合高自転車男子チームスプリントチーム
 全国高校総体(南東北インターハイ)自転車男子チームスプリント優勝

 逆転し県勢初の優勝

 福島県いわき市で7月28日に行われたインターハイ自転車男子チームスプリント決勝で、連覇を狙った別府翔青(しょうせい)(大分)を破り初優勝した。県勢がチームスプリントで優勝したのは初めて。

 27日の予選で1分16秒926の大会新記録をたたき出し、トップで通過。決勝は予選2位の別府翔青と対戦した。

 メンバーは予選と同じ1番手高橋慶多(3年)、2番手佐藤威吹(2年)、3番手中野慎詞(3年)。最初の1周は相手に先行して通過し、2周目はわずかにリードを許したが、エース中野が最終3周目に逆転し、1分17秒280でゴール。別府翔青のタイムは1分17秒822で、0秒542の差をつけた。

【写真=南東北インターハイ男子チームスプリントで優勝した紫波総合高。(左から)高橋慶多、佐藤威吹、中野慎詞の各選手】


中野 慎詞選手(紫波総合高3年)
 全国高校総体(南東北インターハイ)自転車男子1000メートルタイムトライアル優勝、
 第72回国民体育大会「2017愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」自転車少年男子スプリント優勝

 抜群の加速力で圧勝

 福島県いわき市で7月29日に行われたインターハイ自転車男子1000メートルタイムトライアル(TT)で初優勝した。県勢が同種目を制したのは43年ぶり。

 スタート直後から抜群の加速力を見せ、そのまま速度を維持し、ただ一人1分5秒台となる1分5秒308をマーク。2位の選手に1秒85差をつける圧勝だった。

 種目をスプリントに替えて挑んだ国体は予選から順当に勝ち進み、10月3日に松山市で行われた少年男子決勝で栃木の選手に2−0で快勝。自転車では17年ぶりとなる国体優勝を本県にもたらした。

 高校で自転車競技の世界に入り、2年半のキャリアで全国の頂点に立った。東京五輪出場が次の目標だ。


盛岡一高登山部女子
 全国高校総体(南東北インターハイ)登山女子団体優勝

 準備怠りなく花開く

 7月30日から4日間、山形県の蔵王山系などで行われたインターハイ登山女子団体で99.7点(100点満点)の高得点を記録し、2年ぶり2度目の頂点に立った。2015年の優勝、16年の3位に続いて3年連続の表彰台となった。

 メンバーは2年前の優勝を経験している山村あゆ(3年)をリーダーに、西森優(2年)、山本花(1年)、山下ちひろ(1年)の4人。体力、歩行、炊事、天気図など13項目のうち10項目で満点を取る強さを見せた。

 7月に現地を3度下見し、課題テストの対策も怠りなかった。山村が強いリーダーシップでチームをまとめ、後輩3人が「尊敬する先輩の背中を追い続けて」努力した成果が花開いた。

【写真=南東北インターハイで優勝した盛岡一高登山部女子。(右から)山村あゆ、山本花、西森優、山下ちひろの各選手】


不来方高カヌー・スプリント女子カヤックペア200メートルチーム
 全国高校総体(南東北インターハイ)カヌー・スプリント女子カヤックペア200メートル優勝

 ライバルを打ち破る

 8月10日に山形県西川町で決勝が行われたインターハイのカヌー・スプリント女子カヤックペア200メートルで初優勝した。

 菊池夏生(3年)、北舘知沙(3年)がペアを組み、9組による決勝に進出。この種目2連覇と500メートルとの2冠を狙った水橋(富山)や東北高校選手権で敗れた地元谷地(山形)のペアと競り合い、45秒868でゴール。水橋ペアに0秒276の差をつけ先着した。

 不来方の女子はシングル、ペア、フォアの500メートル、200メートルの全6種目で入賞。女子学校対抗でも3連覇こそ逃したが2位に入った。菊池は6種目全てに出場し、入賞ラッシュの立役者に。2人はペアの500メートルでも3位となった。

【写真=南東北インターハイのカヌー・スプリント女子カヤックペア200メートルで優勝した不来方高の菊池夏生選手(左)と北舘知沙選手】


岩渕 麗楽れいら選手(一関学院高1年)
 スノーボードの第23回全日本選手権 スロープスタイル女子優勝

 世界レベルへと躍進

 群馬県片品村で3月9日に行われた全日本選手権スロープスタイル競技の女子に、一関市・東山中3年時に出場し、初優勝した。同月5日の全日本選手権ビッグエアでも3位に入った。

 続く3、4月にチェコで開催された世界ジュニア選手権では、両種目で準優勝。15歳にしてこの分野の国内トップクラス、世界レベルへと躍進した。

 全日本選手権のスロープスタイルは順調に予選を突破し、6人による決勝に進出。決勝は2回目に87.83点をマークし2位に10.75点差をつけ、快勝した。

 新たなシーズンも、初出場となった9月のワールドカップのスロープスタイルで4位に入る好発進を見せ、来年2月の平昌五輪を視界に捉える。


岩手チーム
 第72回国民体育大会「2017愛顔つなぐえひめ国体」 フェンシング成年男子フルーレ優勝

 新メンバー加え連覇

 10月1、2日に愛媛県四国中央市で行われた国体フェンシング成年男子フルーレで2連覇を遂げた。メンバーは佐々木慶将(よしまさ)(共輪自動車)、藤野大樹(デンソー岩手)、千田圭(日体大4年)の3人。佐々木、藤野は前回の岩手国体に続く栄冠となった。

 プール戦の1、2回戦を突破して16強入りし、3回戦は前回決勝で戦った宮城、準々決勝は和歌山、準決勝は大分をともに2−0で退けた。東京との決勝は藤野が5−2、千田が5−3で連勝し、優勝を決めた。

 エースの藤野は決勝まで無敗で戦い抜き、連覇の原動力となった。監督を兼務した佐々木は3人をまとめ、ただ一人前回の優勝メンバーから交代した千田の奮闘も光った。

【写真=愛媛国体フェンシング成年男子フルーレで優勝した岩手チーム。(左から)佐々木慶将(共輪自動車)、藤野大樹(デンソー岩手)、千田圭(日体大)の各選手】


岩手チーム
 第72回国民体育大会「2017愛顔つなぐえひめ国体」 山岳少年女子ボルダリング優勝

 難コースで頂に立つ

 10月2、3日に愛媛県西条市で行われた国体山岳少年女子ボルダリングで初優勝した。田中里旺(りお)(盛岡一高2年)と伊藤ふたば(盛岡・松園中3年)がコンビを組み、山岳の女子で成年、少年通じて県勢初の国体優勝を成し遂げた。

 2日の予選は完登5(田中1、伊藤4)、5位で通過した。3日の決勝は、伊藤がただ一人完登2を記録したのが最高という難コース。ほかは完登1が2人、残りの選手は完登ゼロに終わり、岩手の完登数2がトップとなった。

 伊藤は中学生ながら、国内外の大会で優勝経験を持つ日本のホープ。その実力を初出場の国体でも存分に示した。2人はリードでも準優勝し、本県の競技得点獲得に大いに貢献した。

【写真=愛媛国体山岳少年女子ボルダリングで優勝した岩手チーム。(左から)伊藤ふたば選手(松園中)、田中里旺選手(盛岡一高)】


吉田 俊吾選手(不来方高2年)
 第72回国民体育大会「2017愛顔つなぐえひめ国体」 カヌー・スプリント少年男子カナディアンシングル200メートル優勝

 競技歴1年半で制覇

 10月4日に愛媛県大洲市で行われた国体カヌー・スプリント少年男子カナディアンシングル200メートル決勝で、49秒861で初優勝した。県勢がカナディアン種目を制したのはシングル、ペアを通じて初めて。

 前日の予選を組1位で通過した。決勝は向かい風の中、出だしは力を温存しながら他艇と競り合い、中盤からギアを切り替えトップでゴール。同じ種目の500メートルを制した千葉の選手に0秒801差をつけた。

 雫石中では野球部のエース。不来方高でカナディアンの選手だった3歳年上の兄健吾さんの影響を受け、カヌーの道に進んだ。競技を始めてわずか1年半での国体制覇で、500メートルでも3位に入り、2種目で表彰台に立った。


岩手チーム
 第72回国民体育大会「2017愛顔つなぐえひめ国体」 アーチェリー成年女子団体優勝

 県勢初、快挙射止める

 10月2〜4日に愛媛県今治市で行われた国体アーチェリー成年女子団体で初優勝した。県勢がアーチェリーを制したのは種別、種目を通じて初の快挙。

 川渕真弓(花巻北高職)、吉田美紅(愛知産大3年)、畠山佳菜子(愛知産大2年)の3人で臨んだ。予選は1819点、3位で通過。620点をマークした川渕は個人でも8位入賞した。

 決勝トーナメントは1回戦で兵庫、準々決勝は福岡を下し、準決勝は山形に5−3で競り勝った。愛知との決勝は先行を許したが、第3エンドで勝ち越し、5−3で栄冠を射止めた。

 エース川渕は前回4位の悔しさを1年後の愛媛で晴らした。初出場の吉田、畠山も冷静な射を貫いた。

【写真=愛媛国体アーチェリー成年女子団体で優勝した岩手チーム。(左から)川渕真弓(花巻北高職)、畠山佳菜子(愛知産大)、吉田美紅(愛知産大)の各選手】


岩手チーム
 第72回国民体育大会「2017愛顔つなぐえひめ国体」ホッケー少年男子優勝

 県勢17年ぶりの頂点

 10月1〜5日に愛媛県松前町などで行われた国体ホッケーの少年男子で優勝した。5日の決勝で横田高単独の島根と3−3(前半1−1)で引き分け、優勝を分け合った。ホッケーの県勢の優勝は17年ぶり。

 チームは沼宮内高11人、不来方高2人の計13人で編成。初戦の準々決勝は地元愛媛を5−1で圧倒し、準決勝は丹生高単独の福井に2−1で逆転勝ちした。

 島根との決勝は1−1で迎えた後半、2度先行されたが、そのたびに追いつき、同点優勝に持ち込んだ。最後まで走り負けず、「取られたら取り返す」攻撃ホッケーが光った。

 お家芸と言われながら近年は国体の頂点から遠ざかっていただけに、関係者の喜びは大きい。

【写真=愛媛国体ホッケー少年男子で優勝した岩手チーム】


米沢 蓮選手(盛岡中央高3年)
 第72回国民体育大会「2017愛顔つなぐえひめ国体」 ゴルフ少年男子個人優勝

 悪条件の中、首位守る

 10月5、6日に松山市で行われた国体ゴルフ少年男子個人で初優勝した。ゴルフでは種別、種目を通じて県勢初の栄冠。

 第1ラウンドを3アンダー、69で回り、首位タイで終えた。後半第2ラウンドは雨の中、1アンダー、71でまとめ、通算4アンダー、140で久常涼(岡山)と並び同点優勝となった。

 第2ラウンドは前半ボギーなしの4アンダーと快調にプレー。最終ホールでスコアを落としたが、どの選手も悪条件の中でスコアを伸ばしきれず、久常とともに3位に3打差をつけ首位を守った。

 昨年の岩手国体は個人6位。今季は8月の全国高校選手権で3位、日本ジュニア選手権は6位で、念願の全国初タイトルとなった。




体育賞特別賞

伊藤 ふたば選手(盛岡・松園中3年)
 スポーツクライミングのボルダリング・ジャパンカップ女子最年少優勝、
 世界ユース選手権ボルダリング女子ユースB優勝

 W杯や五輪見据える

 松園中2年だった1月29日、ボルダリング日本一を決めるジャパンカップ(東京)の女子で史上最年少優勝を果たした。6人による決勝は4課題(コース)のうち1人だけ3課題を成功した。

 世界ユース選手権(8、9月、オーストリア)では、ボルダリングの女子ユースB(2002、03年生まれ)決勝でただ一人4課題全てを完登し初優勝。同選手権では、リードと複合でも3位に入り、3種目で表彰台に上がった。

 東松園小3年から競技を始め、15年の日本ユース選手権女子ユースCでリード、ボルダリングとも優勝。17年のボルダリングユース日本選手権の女子ユースBも制し、今後はワールドカップ参戦や東京五輪を見据え、一層の高みを目指す。


体育賞・希望

畠山 庄一さん
県身体障がい者アーチェリー協会会長

 練習場設け競技普及

 障害者アーチェリーの普及のため、盛岡市上飯岡の自宅敷地内に練習場を設けて本県選手に開放。今では健常者も含め多くの利用があり、競技力向上や選手同士の交流に役立っている。

 19歳のときに事故で左脚の膝下半分が義足になった。56歳のときに競技と出合い、自宅の練習場は翌年に開設した。障害者向けの30メートル、50メートルに加え、健常者が行う70メートルにも対応。ビニールハウスを活用した「全天候型」の練習場も設け、選手は早朝や夜間など足しげく通っている。

 全国障害者スポーツ大会は2005年岡山、08年大分両大会に出場し、その後も本県選手団の監督などを務めてきたが、今月28日からの愛媛大会に9年ぶりに選手として出場を果たす。


(2017.10.25)

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