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伝統工芸通じ心の交流 福島の被災者、遠野など訪問



 「痛みを分かち合い、絆をつなぐ」。東京電力福島第1原発事故により仮設住宅で避難生活を送る福島市の住民グループは14、15の両日、大槌町と遠野市を訪れ、伝統工芸「一閑(いっかん)張り」を教えながら地元住民と交流を深めた。遠野市を拠点に被災地支援に取り組むNPO法人遠野まごころネット(多田一彦代表)が仲介。ものづくりを通じた触れ合いで本音を語り合い、励まし合った。

 放線能汚染により古里の飯舘村や浪江町を離れ、福島市などの仮設住宅で暮らす住民でつくる「一閑張りの会」(佐藤美喜子代表)のメンバー9人が来県。15日は遠野市大工町の遠野浄化センターで、本県沿岸部から同市に避難している住民たちと親睦を深めた。

 一閑張りは、ざるなどの竹細工に和紙をのり付けし、柿渋を塗って仕上げる技法で、同会は浴衣など柄付きの布地を一緒に貼ることで芸術性を高めている。参加した住民たちはアドバイスを受けて作業を進め、互いの身の上を語り合った。

 福島県浪江町出身で現在は桑折町の仮設住宅で暮らす女性(59)は「津波と放射線で被害状況は違うが、苦しみや悲しみは同じ。心のつながりができてうれしい」と熱心に指導した。

【写真=一閑張りを通じて親睦を深める福島県と本県の被災住民ら】

(2012.4.16)


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