第49次越冬隊は例年より10人程度少ない29人で編成された。厳しい環境の中、昭和基地への輸送体制の変更などの課題にどう対処するのか、牛尾収輝越冬隊長=国立極地研究所=に聞いた。
(聞き手は報道部・鹿糠敏和)
−今回の越冬計画の特徴は。

「まず国際極年(2007−8年)に関連した多岐にわたる研究観測がある。内陸や沿岸域における観測旅行も計画しているが、やはり昭和基地での観測が中心となる。地球の実態を調べるためには、継続的な観測が大切だ」
「来年の輸送が『しらせ』ではなく豪船になることも今までにないことだ。2週間という短い期間で、50次隊へ引き継がなければならない。51次隊からは新船となるが、それらへの対応も頭に入れ行動していきたい」
−例年より小規模な越冬隊となるが。
「30人を切る越冬隊は約40年ぶり。そのころと比べれば基地の規模は拡大しており、個人にかかる負担も大きくなる。各人に与えられた仕事だけではなく、他部門への支援など基地全体を考えた行動がこれまで以上に求められる」
−南極の厳しい自然環境下で暮らすための安全対策は。
「もちろん安全対策訓練を行うが、道具やリーダーに頼るのではなく、自分の身は自分で守る意識が大事だ。危険な場所や状況の情報共有も図っていく」
−南極で越冬観測を継続する意義を聞きたい。
「地球の変化をとらえるためには、自然環境のデータを継続して蓄積する必要がある。航空機や船を使う夏の短期間の大規模観測を行うにしても、越冬隊の準備や観測が不可欠だ。現場で検証する作業は重要なことで、国際社会に貢献するという意義も大きい」
【写真=「地球の実態を調べるためには継続的な観測が大切」と語る第49次南極地域観測隊の牛尾収輝越冬隊長】