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一関市災害対策本部の家屋調査の立ち会いで17日、ヘリコプターで祭畤(まつるべ)地区の自宅に戻った高橋慶悦さん(75)は「これを持ってきたから大丈夫」と妻美恵子さんや先祖の位牌(いはい)を握りしめた。
「まさかここで起こるとは」。避難している住民の言葉が、防災体制の再点検の必要を言い表している。
今回の現場は山間地の行楽地。県内には同じような地帯が多く、新たな課題が浮き彫りになった。
「住民以外の被災者の有無はヘリコプターでの確認に頼るしかない」と一関市の災害対策本部の担当者が語るように、登山客や観光客らの安否確認は見直しが必要。山間地ゆえに、通信手段も課題の一つだ。
16日現地入りした増田寛也総務相は「山間部では、旅行者などの安否確認は目撃情報に頼るしかない。衛星携帯電話が必要になるかもしれない」と新たな通信手段の必要性を指摘した。
一方で、今回の地震では発生後、住民の連携意識の強さや行政側の素早い対応が被害拡大を食い止めた。
消防庁は発生直後に対策本部を設置。県警、海上保安庁、自衛隊など、最大で約20機のヘリコプターが救助に入り、24時間以内に約250人の孤立者を無事、救出した。
緊急消防援助隊の強力敏彰指揮支援隊長(札幌市東消防署消防司令長)は「これだけの規模の地震で2日で救出を終えたのは、かなり対応が早い。過去の教訓を生かしうまく連携できた」と語る。
市野々原地区の行政区長の佐藤勝雄さん(69)は「小さな集落だからみんなで協力し、対応できた」と振り返る。
日本防災士機構防災士で、宮古市消防団員の高橋優さん(58)=同市田老=は「大地震では、津波を考えるが、田老地区は山の木々が切られ土砂崩れの可能性も高まっており、今後は『山津波』のことも考えていかなければならない」と気を引き締める。
これまで確認されていなかった活断層が突然襲った岩手・宮城内陸地震。冬季、夜間、悪天候だったら…。災害対策の鉄則をもう一度心に刻み、今後に備えたい。
(報道部・斎藤孟)
【写真=地震が発生し、慌ただしく県職員と打ち合わせする札幌市や総務省の職員。防災体制の再点検が必要だ=14日、県庁】
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